「不落因果」と不昧因果」不落因果すなわち因果に落ちずというのは、まさしく因果の否定であってそれによって悪道に墜ちたのである。不昧因果すなわち因果に昧からずというは、それはあきらかに深く因果を信ずるのであって、だからしてそれを聞いただけで悪道を脱することがでるのである。禅を学ぶ人々は、なによりもまず、いそいで因果の道理を明らかにするのよい。善因を修すれば善果を感ずるということである。それがほかならぬ仏祖達のみちならである。(道元:正法眼蔵・深信因果)