「調御丈夫とは」仏十の一で。一切の丈夫を調御して仏道に入らしめることをいう。調御丈夫である世尊は、馬を調御する四種の方法を持ってあらゆる衆生を必ず見事に教可なされるのである。すなわち如来が衆生のために生をとくと衆生はたちまち仏の仰せ受けるのであり、また、生及び老を説きたもうと、衆生はたちまち仏のことばを頂くのであり、また生及び老死を説けばそれで仏のことばを頂くものもあり、あるいは、生及び老病死を説かれるにおよんで、それでやっと仏語を頂戴するものもある。(道元:正法眼蔵・四馬)(如来世尊の衆生を教化するにもいろいろの手立てがあることを示しいる。その故に仏をまた調御丈夫と申しあげているのである。)