出家功徳10」仏はおおせられた。出家というものは、悪しき心を起こすべきではない。もし悪しき心を起こさば、すなわち出家ではない。出家したものは、身におこなうことと口に言うことが相応しなければならない。もしそれが相応しなければ、すなわち出家ではない。出家して道を修するとは、それはまさしくもろもろの善き心の持ち方を修するべきときである。けっして悪しき心の持ち方を修めるときではない。その善きこころとは、生きとし生けるものを憐愍すること、なお赤子のごとくするものである。(道元:正法眼蔵・出家功徳)