「先師なる如浄、古仏はまた、偈を仰せられた。「本来の面目は生死なしという。春は梅華にありて画図に入る。」天竺から中国にかけて、まだ春を描いたものは、先師なる古仏のほかにはない。だ先師なる古仏だけが、春をえがいた唯一人である。先師なる如浄、古仏は正法をみる眼いともあきらかなるによりて、その正法の眼睛を、三世十方にあまたまします仏祖に正伝する。そのゆえに、眼睛を究めいたって、梅華を語りあがしたもうたのである。(道元:正法眼蔵・梅華)