「乾峰和尚の言葉」「乾峰和尚にあるとき僧が問うた。」「十方の諸仏には、ただ一筋の涅槃門(解脱の門)に通ずる門があると聞いておりますが、その路はどこに在るのですか」「乾峰和尚はその時、拄杖をもって一円相を画がいて言われた。」「ここの裏に在る。」と。乾峰和尚の言われた「ここの裏にある」というのは十方世界の裏に在るということである。諸仏とは、拄杖のことである。拄杖とは「ここに在る」である。一筋の路とは、十方世界のことである。(道元:正法眼蔵・十方)