「釈迦牟尼仏はすべて悟りを成就せられた人々に告げて仰せられた。「深く禅定に入て、十方の仏を見てたてまつる。」禅定は一切の対立観念を根源からたち切って初めて現成する。真理なる真龍を、怪しみ恐れたりしなければ、今日、自身の眼で真理を見たとき、更に真理を求める心を抛擲(ほうてき)することもない。なんの先入観を交えないのであるから、見仏を見仏し、禅定から禅定に深入りするのである。」(道元:正法眼蔵・見仏)