「龍吟とは」ある僧が師に問う・「枯木は龍吟しますか」師答える。「我が仏道において髑髏が獅子吼(大説法)している。」と。仏道の立場からあらゆるものごとを見るときは、枯木もまた髑髏も仏の姿ある。龍吟も髑髏も獅子吼も仏身の働きである。仏祖の枯木観は、「海枯て底を見ず」という究のない無限の境地である。全世界ことごとく枯木であり龍吟である。森羅万象はこの枯木のありのままの真理である。仏身の現成である。(道元:正法眼蔵・龍吟)