「瞬目とは」瞬目というのは、菩提樹むの下で釈尊が禅定の末、暁の明星を見られて仏眼を開かれたその時の事をいうのである。このときに摩訶迦葉が顔をほころばせてにっこっと笑った。その顔をほころばせたその瞬間にその顔は釈尊の拈じた華になってしまったのである。釈尊如来の瞬目の時、われらの凡夫眼は、園瞬間に失われて仏眼をひらくのである。如来のこの春秋は我らの瞬目である。この如来の瞬目がすなわち優曇華の「はたらき」なのである。このときに、優曇華の花かが自ら開くときなのである。(道元:正法眼蔵・優曇華)