「菩提心の発心」菩提心を発す因縁は、外からもって以て来るものではない。それはただ菩提心を以て発心するのである。即ち自己の心の底から仏に帰依し法に帰依し僧に帰依することである。正信を発すことであり、正見を発することであり、正業を行ずることである。発菩提心をもって発菩提心むするとは、自己の身心として発菩提心することでる。仏祖の皮肉骨髄を自己の皮肉骨髄として発菩提心することである。いろいろのことがすべて必ず菩提心の因縁となるのである。(道元:正法眼蔵・発無上心)