「寿命移ろうこと迅速なりを心で知ること」生きとしいけるものの寿命は、たえず生滅を繰り返してとどまらず、はなはだ速やかである。我らの寿命は生滅とて刹那刹那に流転している。この速やかなる刹那生滅の流転のなかにありながらも、もしなおよく「自らまだ悟りのの彼岸に渡るよりも先に他を渡そうとする心を起こすとすれば、永遠の命が直ちに目前に現れるのである。菩提心を起こしていないのは祖師ではない。(道元:正法眼蔵・発菩提心)