「欲の神足とは」欲の神足というのは、身にも心にも仏になりたいとするのがそれであり、快く眠りたいなあと思うのもそうであり,あるいはまた、自分の頭がしぜんにその前にさがっているというのもそれである。だからして、この欲の神足というのは、けっして身や心の関係によるものではない。それは、ただ涯(はて)しない空を鳥が飛ぶようなものであり、あるいは底なき水の中を魚が行くようなものであるといおうか。(道元:正法眼蔵・三十七品菩提分法)