「初祖・二祖に禅宗の称は聞こえていない。」世尊は摩訶迦葉に[、われに正法の眼目と涅槃の妙心がある。それと共に僧伽梨枝を摩訶迦葉に付属する」といったが禅宗とは称していない。また初祖達磨も二祖慧可に対し、「諸仏の説きたもうた最高の妙道は、限りもなく励んで、行事がたきをよく行じ、忍び難きをもよく忍ばねばならない。けっして小徳・小智、もしくは軽心・慢心をもってこのまことの教えをもとめようとしてはならない。禅宗と称すべき云われもないのである。また、五祖弘忍と六祖慧能の対話にも禅宗の称はみえていないのである。(道元:正法眼蔵・仏道)