「開方便門というは、示真実相なり。示真実相は、蓋時にして、初中後際断なり。その開方便門の正当開の道理は、尽十方界に開方便門するなり。」「方便門を開くということは、真実のすがたを示すことに他ならない。真実のすがたをを示すときは、あらゆる時においてであって、初めも中も後もないのである。そして、まさに方便門を開く時には、十方世界の全てにおいて開くのである。(道元:正法眼蔵・諸法実相)

方便門とは、無常の証りのはたらきである。方便門は、この世の相の常住不変であることをいうのである。諸法実相を参学する門である。