法性その3「経巻や善知識に遇うことをえて法性三昧にひたることができる。それが法性に遇って法性三昧を得る生知というものである。それは過去世の智慧というものでいわゆる三明がそれである。それによって最高の智慧をさとるのであり、生知に遇ってああこれが生知であるのかとしるのである。無師の智慧、自然の智慧に遇うことをえて無師の智慧、自然の智慧を正伝するのである。仏たち、全ての修行者、全ての衆生は、みな生知のちからで、この法性の大道を明らかにするのである。法性は善知識にほかならず自己にほかならないのである。(道元:正法眼蔵・法性)
万葉集 澤潟久孝著「萬葉集注解」 「雄略天皇御製歌」籠(こ)もよ み籠持つ ふくしもよ 此の岡に 菜採ます子 家告(の)らせ 名告らせぬ そらみつ 大和の国は おしなべて 吾こそ居れ しきなべて 吾こそ坐(ま)せ 吾(わ)にこそは告らめ 家をも名をも」 解釈 「籠、籠をまってね この岡に菜を積んでいなさる娘さん。おうちをおっしゃい。名をおっしゃいな。この大和の国はおたしこそ押しつけているのです わたしこそ治め給得人なんです。そのわたしにこそ打ち明けるのでしょうあなたの家も名も」