「面授」「釈迦牟尼仏、百万の衆の中にあって、優曇華を手にして目をまばたきたもうた。そのとき摩訶迦葉は、顔をくずしてにこっと笑った。する戸釈迦牟尼仏は、「われ正法眼蔵、涅槃妙心がある。それをいま摩訶迦葉にあたえる。」と仰せられた。これがまさしく、とりもなおさず仏より仏、祖より祖へと、正法の眼目をじきじきに授けたもうた消息である。それは、七仏のあいだに正伝されて迦葉尊者にいたった。迦葉尊者から二十八代にわたって正伝されて菩提達磨尊者にいたった。それから中国に渡来せられて、正宗太祖普覚大師慧可祖尊者に面授した。それより五伝して曹谿山の大鑑識慧能大師にいたり、さらに十七たびの面授があって、先師なる大宗国慶元府天童山の如淨古仏にいたった。(道元:正法眼蔵・面授)
万葉集11 「吾が背子は、仮廬(かりいおり)作らす 草(かや)なくは 小松がしたの 草を刈らさぬ」解釈「吾が背子は、仮小屋をお作りになさる。その屋根を葺いたりする、かやがなければ、そのあたりの小松の下のむかやを、お刈りなさい。」