仏の六神通とは「現実の世界に入って現象に惑わされず、声の世界に入って声の惑わしを受けず、香りの世界に入って香の惑わしを受けず、味の世界に入って味の惑わしを受けず、感触の世界に衣もあって感触にまどわされず、思想の世界にあって思想のまどわしを被らない。そのゆえにその六種の世界の真相を熟知し、そのすべて空なるをしって、何物にも捉えられざるものとなる。これが無依の道人というものである。その身はなお五蘊の成すところにして、煩悩具足のともがらではあるけれども、それでそのまま地行の神通というものなのである。(道元:正法眼蔵・神通)

万葉集「粟路之 野嶋之前之 濱風尓 妹之結 紐吹返」(あわじの のじまのさきの はまかぜに いもがむすびし ひもふきかえす)「淡路の野島の崎を吹く濱風に妻が結んでくれた紐を吹きかえさせていることだ。」