「仏向上事」について「淨因法成りの言葉」「衆に示していった。「仏祖をこえるということのあることを知っているなら、ひとつ話してみたいことがある。みなさんよ。一体仏祖を超えるとうのはどんなことか、一つ話してみたいことがある。たとえば、ここにひとりのある家の子があって、六根そなわらず、七識もまた全からずとする。それで、その子は、まったく善根もなく、仏たる可能性も欠いているから、仏に逢えば仏を黙殺し、祖に逢っても祖を黙殺してしまう。したがって、天国もその子を収めることができないし、地獄もその子を容れるわけにはゆかない。みなさん、いったい、この子をどう思うか」みんなは黙っていた。(道元:正法眼蔵・仏向上事)

「対面して破顔微笑することができるののであって、別になんの気を利かせる要もない」の意