曹山本寂のことば「曹山本寂が初めて高祖洞山にまみえたときにも、洞山は、まず問た。「そなたの名はなんという。」曹山はいった「本寂でございます。」洞山はまた問うていった。「もう一歩すすめてさらにいってみるがよい。」曹山はいった。「申しませぬ。」洞山はいった。「なんとして申さぬ。」曹山はいった。「本寂ではございません。」そこで洞山は「そうか、そうか」とうなずいた。つまり、本寂と名づけないというのが、一歩をすすめた事の表現である。したがって、今までの本寂を脱ぎすてた名なしがあるのであり、それはまた身心脱落した本当の本宿である。(道元:正法眼蔵・仏向上)