「宏智正覚のこと1」「仏祖の大道を行じつづけるけるにあたっては、ただいつでも名利を投げ捨てて、諸々の事に束縛されないがよろしい。時間を無駄に過ごさず常に頭上の火をはらうがごとくするがよい。また、大悟こそ待つおもいがあってはならない。醍醐とは、仏家における日常茶飯ことである。だからとて悟らざることを願うもよくない。それはすでに髻中の宝樹としてそなわっている。(道元:正法眼蔵・行持)