「法華を転ずるとき法華の悟りがあり、悟られた法華がある。」たとえば、下方というのはとりも直さず空中である。この下といい空というのがそのまま法華を転ずるのである。あるいは仏の寿量を語るもまたそれである。仏寿や、法華や、法界や、一心は、いずれも下ともなり、空ともなると思い廻らしらしてみるがよい。だから下方空というは、それがそのまま転法華の成就である。(道元:正法眼蔵・法華転法華)