「転法華の成就)」転法華が成就すると、法華はを転じていろいろの草なすこともでき、さまざまの樹となすこともできる。その自覚はまつ要もなく、気が付かないと怪しむこともない。ただ自ずから転じて菩提心のおこるとき、たちまち南方の仏土は出現する。いうまでもなく、その成道は南方霊山の集会において実現する。霊山こそまさに転法華のところである。虚空において十方仏土の諸菩薩が集会するというのも、その転法華の一部である。すでに十方仏土という。もはや一片の微塵も容れる余地はないのである。(道元:正法眼蔵・転法華)