分別を捨てよう

分別いうのは、昨日があって明日がある。あるいは自分があって他人がある。美があって醜がある。生があって死がある、というように二分法的な基準の考えです。この分別の世界はどこまでいっても限りが無いのです。ですからその分別を捨て去ること、つまりいうならば自分の後方、始原という絶対境に向かって戻って行くという発想の転換を道元は求めています。始原に戻るということは、二つに分かれる前の一つの命、大本の命、それは自分の命であって同時に宇宙の命でもあるというこです。これを禅の世界では「今ここに」「即今」、「而今」「不二」と表現しています。これを理解するには坐禅の修行であると道元はいいます。さあ坐りましょう。